【完】ポケット-幼なじみ-
教室に帰っても私と千夏が言葉を交わすことはなかった。
「…へーき?」
肩をちょん、ってやられて振り向けばあかりちゃんがいた。
あかりちゃんは千夏とも仲良い。
あかりちゃん自体がとっても優しいしフレンドリーだから話しやすい。
「私は平気だけど…千夏は…」
私が視線を落として言うと
「ね。最低だよね。
親の力だかしらないけど、
友達を傷つけるなんて最低。」
私が心の中で思っていた意見を言葉にしてくれた。
…そっか、そうだよね。
同じ考えの人もいるんだ……。
「だから、
二人で守ってあげよ?」
あかりちゃんの言葉に私は勢い良く、頷いた。
「あかりちゃん、ありがとう」
笑顔で言うとあかりちゃんは逞しく、グッドサインを見せた。