【完】ポケット-幼なじみ-
「……すいませんっ」
笑いながら謝る私達を一人、冷たい目で見ている人がいたことなんてすっかり忘れていたんだー―…
「………じゃあ、移動ー。」
全員クジを引き終えたあと先生がそういい、皆は席を移動し始める。
隣、誰だろ………………
移動し終えた私は静かに席に座って待っていた。
「……歩夢ちゃん!?」
上から声が降って来てみてみれば輝くんだった。
「………席、ここ?」
私が言うと輝くんはコクン、と首を縦に動かす。
「よろしくなっ」
元気良くそういったあと私の机と自分の机をくっつけて笑った。
輝くんなら、安心だ……。
でもはる君の隣は、誰だろ……
なんて見渡してみれば通路を挟んで隣だった。
でも、はる君の隣の人の一言で嬉しい気持ちを直ぐに裏切られた。