【完】ポケット-幼なじみ-






キッチンに顔を出すとお母さんがにこにこしながら床に座っていた。











「……呼んだ?」














「ごめん、
 ちょっと手伝ってくれる?」










そういいながらお母さんは私に旅行用バッグを見せた。








「片付けるの…?」







近きながら洋服をたたむ、お母さんに言う。








「違うわ。これから行くのよ。」





きっぱりとそう言われて私は思わず、眉間にしわを寄せる。









「え、……また行くの?」










「そうよ。でも
 今回は長くなりそうなのよ。」







にっこりと嬉しそうに微笑むお母さんは楽しそうで行かないで、とはとめられない。
















「また陽斗君のお母さん達と
 行くから
 二人でお留守してて?」











「…そ、れってどれくらい?」











「一、二ヶ月。」









サラリと答えるお母さんはまるで私のことなんて見ていないようだった。
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