【完】ポケット-幼なじみ-
「…あら、よかったじゃない。」
とすかさず後ろから、茶茶をいれられる。
「お母さんっ…」
という私の言葉を無視して
「歩夢をよろしくね。」
と一言、お母さんは言った。
「はい。」
とはる君は返事をして玄関で立ち止まる私の手をぐいっと引っぱって外に出してから、行ってきます、と告げた。
「いってらっしゃーい」
笑顔でお母さんは私達に手を振って、ドアをしめた。
手を放されて既に外に用意されていた自転車にはる君は、乗った。
「なんではる君が…いるの…?」
立ち止まって尋ねる。
「撮影終わるから
…今日から一緒に
登校しよって行ったじゃん。」
不思議そうにはる君は笑いながら、私をみて言う。
そういえば………そうだった。
「………ほら、行くよ。」
はる君は、後ろに乗ってという指示を私にして、私がちゃんと乗ったか確認して自転車を走らせた。