【完】ポケット-幼なじみ-






「……………」











………5分くらいだったのか。







少しの間、沈黙が続いて雨の音も収まった。







「行こ。」





はる君が私の手をとる。






……………鳴り止め、心臓。









「……はる君、拭かないの?」









「俺はいーから。
 あと10分で遅刻だよ?」






時計を見てはる君が言う。








「遅刻だったらはる君が
 風邪引くより、ましだよ…」







私は首にかけてもらってたまだあまり濡れてないタオルをはる君に渡した。








「さんきゅ。」







ふいに向けられた笑顔で、キュンって胸が鳴る。










はる君……、







もし、幼なじみの私が






はる君のことが好きだって言ったら









…………………どうする?
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