【完】ポケット-幼なじみ-
…………困るのかな。
………………困るだけ、か。
「学校行こ?」
そういいながら、さっきはる君に繋がれた手は放した。
――本当はずっと、その手は放したくないと思ったんだ。
遅れて学校に着くと一時間目が始まった所だった。
一時間目の授業の先生は雨で濡れてる私達を見たからか何も言わなかった。
「……二人で登校?」
輝くんが私をみつめる。
椅子に座りながら頷くとよかったじゃん、と微笑んでくれた。
その後に私がでも…、と言葉を濁すと輝くんは
「真井でしょ?
…気にしなくていーよ。」
と言ってくれた。
なんだ、やっぱり全て見透かされてるんだ。
「あり、がと。」
…ほんとにいつも頼りになる。