【完】ポケット-幼なじみ-
「…蒼井さん、ちょっといい?」
授業が終わった直後、真井さんが私を呼んだ。
なんとなく、わかってたんだけど。
わかってても…嫌なものは嫌だ。
「わかった。…どこ行く?」
私が了解したのを見て輝くんは
「…なにいってんの?馬鹿…」
と私だけに聞こえる声の大きさでつぶやいた。
平気、そう私が言うと輝くんはため息をついて、そっぽを向いた。
「…………ついて来て。」
前を進む真井さんの後を言われた通り付いていくと屋上だった。