【完】ポケット-幼なじみ-
少しの間、二人のあいだに気まずい空気が流れる。
私はこの後に言われる言葉を想像する。
「……ふーん。」
腕を組みながら言う彼女の目は凍っていた。
「あたし、言ったよね?
欲しいものは手に入れるって」
………………覚悟は、してる。
彼女が近付いて来て手を上にあげた瞬間、目をつぶった。
………………なぐられる。
そう思ったけど何も無くて、目を開けると彼女はいなくなっていた。
「…え?」
とキョロキョロと見渡していると
――――――――カチャリ。
と金属の回す音が耳に入った。