【完】ポケット-幼なじみ-
キケンナカケヒキ
その言葉から、2時間が過ぎようとしていた。
「頑張ってくる、ね。」
もらったハチマキをしっかり頭に巻き付ける。
「ほんとにやんの……?」
心配そうな千夏の言葉に頷く。
「そっか…、あたしの
ためにごめんね…」
千夏がしゅん、といっきにしょげる。
「うんん。…大丈夫だよ。
絶対、………勝つから。」
――…賭け、それがまた全ての始まりだったのかもしれない。
今から2時間前の会話から始まった。
「今日の球技大会、雨で
自習になるらしいの。
だから…
“宝探し”しましょ。」
「宝…探し……?」
イマイチ、状況をつかめない私。
宝探し…ってあの隠されたやつをさがすやつ?
なんで…また…そんな急に……?