【完】ポケット-幼なじみ-
ソラ
いつもの平和な朝。
トタトタトタ――…バタンっ
私、"蒼井 歩夢(アオイ アユム)"
は階段をいっきに駆け上がって
部屋の扉を勢いよく開けた。
「おはよーっ、はるく…」
「ちょっと待って!」
そう言われた時には
もう遅く私は悲鳴をあげていた。
…そこには上半身裸のはる君がいて思わず肩にかけていたスクールバッグがするりと床に落ちた。
そして慌ててはる君に自分の背中を向ける。
「…はあ、だから言ったじゃん。」
後ろからため息と制服の布がこすれる音がした。