【完】ポケット-幼なじみ-

ソラ



いつもの平和な朝。







トタトタトタ――…バタンっ





私、"蒼井 歩夢(アオイ アユム)"

は階段をいっきに駆け上がって

部屋の扉を勢いよく開けた。









「おはよーっ、はるく…」





「ちょっと待って!」



そう言われた時には






もう遅く私は悲鳴をあげていた。









…そこには上半身裸のはる君がいて思わず肩にかけていたスクールバッグがするりと床に落ちた。








そして慌ててはる君に自分の背中を向ける。








「…はあ、だから言ったじゃん。」










後ろからため息と制服の布がこすれる音がした。
< 3 / 318 >

この作品をシェア

pagetop