【完】ポケット-幼なじみ-
うっすらと目をあけてみる。
目をつぶったはる君の
整った顔がどんどん近付く。
あと数ミリで唇が重なり合う、
というとこで携帯が鳴った。
――――――――ピリリリリ
二人の間に携帯の着信音が流れる
びっくりしてはる君から離れる
「ご……ごめん…」
そう謝りながら
ドキンドキン鳴る胸をおさえる
「………携帯」
とはる君は一言
言ってから手で顔を隠した。
携帯を手にとり開くと画面には
"千夏"と映し出されていた――