その恋、ください。
「りん・・・き・・・?」
「頼むから・・・」
そう言ってさらに強く抱きしめる。
凜樹の顔は、今にも泣きそうな、
悲しい、悲しい顔だった。
「俺と兄貴、全然似てない。けど・・・」
凜樹はあたしを離して、まっすぐに見つめる。
吸い込まれそうなくらい、大きくて澄んだ目。
顔が赤くなってくるよ・・・・。
「俺、ずっとりりあが好きだった。忘れたくなくて・・・。」
すごい驚いた。
急にあたしの目の前に現れて
急なことを言われて。
あたしの頭はついていかないよ・・・・・。
「冗談・・・・でしょう?」