その恋、ください。
「こんなウソ、俺がつくと思う・・・・?」
そんな、子犬みたいな目でこっちを見ないで・・・。
思わず、凜樹から目を逸らした。
これ以上見てたら、あたしがおかしくなっちゃう。
「りりあ、こっち向いて」
「イヤ・・・」
「頼むから・・・」
あたしは頭を振ることしかできなかった。
「返事はいつでもいいからさ。・・・フることになっても、りりあから直接聞きたい。」
そう言い、教室に消えてった凜樹。
どうしよう、どうしよう・・・・・。
足がすくんで、壁にもたれかかった。
中学1年、夏休み。
あたしの心は揺れ動き、傾き。
そしてさらわれて行くのです・・・・。