その恋、ください。
~こたside~

俺は最近、彼女ができた。

彼女、っていうのはおかしいかもしれないけど・・・。

アイツに告られて、一回はフッた。
でも、何回もめげずに伝えてきた樹里に・・・。

俺は折れてしまったんだ。


でも樹里はすげーイイ奴で。

優しいし、そこらの着飾った女子とは違って何事にも一生懸命だ。
自分より、人のほうが大事・・・。

そんなとこに俺は段々と惹かれていった。


俺、今まで恋とか、好きとか分からなかった。



そう、中2のあの頃までは。



「なぁなぁ、瑞樹っ♪お前、好きなヤツいねーの?」

「サッカー。」

「そうじゃなくて、女だよ、女っ!」

「んー・・・。いないかなー・・・」

「んでもお前、りりあちゃん・・・だっけ?仲いいじゃん。」


俺はドキっとした。

りりあ。

俺の妹みたいな・・・。
人懐っこくて、俺のことをこた、って呼ぶ。

「りりあ今小5だぞ?」

「んでもお前楽しそうだぞ?」

「あっそ」


スパイクを履き、うるさいヤツを後にする。
恋だの愛だの、どうでもいい。
サッカーできれば。ボールがあれば。








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