その恋、ください。

「・・しょうがないなあ。着替えておりてきてよ?」

「・・・!!!!うん!!」

心がパッと晴れた。
こたってやっぱり優しいね。

こんなワガママ聞いてくれるの、こただけだよ。


「あ、薄着するなよ。危ないから。」

「へーきだよ!こたがいるじゃん。」

そう言いながら窓を閉め、パーカーのチャックをあげる。

「もう!」

中のTシャツがチャックに引っかかる。
イライラするなぁ・・・。

はやく下に行って、こたに会いたい。

はやくはやく、あの人のことを聞きたいよ・・・・。



「おかーさん、こたとコンビニ行ってくるね!」

「りりあ、気をつけるのよ」

お母さんの注意もまともに聞かず、玄関を飛び出した。



そこには手を振って待っている貴方の姿。

「こた!おごってよね!」

「え!?そこは自腹だろ?」

「女の子におごるのは当然でしょー?しかも年上だしっ」

「はいはい、分かりましたー。」


そう言って歩き出すこた。


今すぐ聞きたいのは今朝のこと・・・・。

言葉が口からあふれそう、

でも言えないのはあたしが弱虫だから?




ううん、違う。







「彼女」って言葉を聞きたくないんだ。


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