薔薇色の人生
優子は『本当に申し訳ないと思ってるよ。でも今のままではどうしようもないんだ。ここらで清算しておかないと、残るのは本当に借金だけになっちまうんだ』陽一は『お前がそれでいいなら俺は何も言わん。ただ家畜の引き取り先も探さないとならんし、強司や俺達の今後もある。ゆっくり考えてからでも遅くないだろう』と言って牛小屋に戻って行った。二人きりになると優子さんは『なぁ強司。お前にとって一番大切な人を信じて守ってやるんだぞ。それがこれからのお前の役目だ』と言いながら部屋に戻ってしまった。僕にとって一番大切な人…。優子さんは何を伝えようとしたのだろうか。それは今の僕にはわからない。
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