薔薇色の人生
『それとな、勝手な事して悪いが希望園には俺の後輩達を護衛にまわしてある。素手で牛を締めるくらいの奴らだから心配いらん』しばらく走ると渉兄さんがバックミラーに目をやり『ほら、おいでなすった』と口元に笑みを浮かべ『3台後ろのベンツと、それに併走してるバイクがそうだ』僕もミラーで確認すると確かに距離をあけて尾行している様に見える。『さ、やるぞ』兄さんがアクセルを踏み込むとスカイラインは素早く反応し一気に加速した。後ろを見ると慌ててバイクが追ってくる様子がみえた。兄さんは楽しむ様にステアリングをさばいている。雨はいつしか強くなり視界を極端に悪化させていた。