【短編】君と赤に染まる僕
トントンっ!
扉をたたく。
すると中から
「入れば?」
なんて、答えが返ってきた。
そして、クロムが扉を開く。
「はじめまして、夜美様?」
「誰?」
澄んだ彼女の声が響く。
「僕は、日口光汰ともうします」
「日口家の人なのね。はじめまして、暗野夜美よ。ヨミでいいから……あと、敬語、やめて!」
ヨミは、挨拶が得意じゃないのかな?
敬語がなんかおかしい。
「ヨミ、よろしくね! 僕の事はコウって読んで」
「わかった。でも、あんまり、馴れ合いはしたくないの……。だから、あんまり近づかないで! 私は貴族として、貴方と話しているんだから!」