【短編】君と赤に染まる僕
「えっ!?」
「お嬢様があんな、笑顔で笑うのは久しぶりです。きっと、光汰様のおかげです」
「そ、そんな事ないですよ。僕はなんにもしてませんよっ」
そうだ。
ヨミが一歩踏み出せたから、きっと、笑顔をみせてくれたんだ。
僕に何もしていない。
全部、ヨミの力だよ。
凄いね、ヨミ。
僕より凄い。
あとは、ここから真っ直ぐに進めれば、きっと……。
ヨミは幸せになれる。
「ヨミ」
僕は虹をみているヨミに話かけた。
「なに?」
「あらためて、これからよろしくね! ヨミ」
「うん! こちらこそ、よろしくね!コウ」