【短編】君と赤に染まる僕
「もしもし、コウ?」
『うん、そうだ、よ。おはよ』
何か、苦しそう?
「どうかしたの?」
『何でもないよ! ちょっと、飢えてるだけだから……気にしないで!』
「飢えてるって!? やっぱり、ヴァンパイアだから、飢えるの?」
電話の向こうから笑い声が聞こえる。
『あたりまえ! 僕も飢えるよ。で、今日は学校サボるからっ! 行ったら、多分襲っちゃうと思うからさ』
コウは元気そうに喋っていたけど、苦しそうだった。
「そうなんだ。実は私もなの! だから、コウの家に行ってもいい?」
『うん。いいよ! いつ来てもいいから、じゃあ!』
そして、電話を切って、食道に入った。
「おはようございます、お嬢様。聞いていましたよ。いつ向かいますか?」
レイスが聞く。