【短編】君と赤に染まる僕
車が止まる。
車から降りる私を支えてくれたレイス。
「ありがとう」
「本当に大丈夫なんですか?」
「大丈夫」
私は笑顔で答えて、扉を叩いた。
トントンッ! トントンッ!
「コウ? ヨミよ!」
がチャッ!
扉が開いた。
「ヨミ会いたかったよ!」
「私も……」
私は顔を下に向けて言った。
恥ずかしかったから。
「どうしたの、ヨミ?」
「なんでもないよ!」
そして、屋敷の中に入った。
屋敷の中、コウの匂いでいっぱい。
イイ匂イ!
欲シイ!
「ハァハァ……」
息が荒くなっていく私。
「どうしたの?」
「変な事お願いしても、いい?」
「なに?」
コウが優しい目で言う。
「コウの血が欲しいの!」