【短編】君と赤に染まる僕

「お嬢様、これ以上はダメです」

レイスの声が響く。

でも、そんなの無視。

美味シイ、コウノ血。

甘イ、コウノ血。

私ニ吸収サレテイク!

「お嬢様! これ以上は光汰様が危険です!」

コウが……危険……?

はっ!

私は急いでコウから離れた。

「ハァハァ……」

私、コウの血、いっぱい飲んじゃった……。

大丈夫かな?

「コウ、大丈夫?」

おそるおそる聞く。

「大丈夫だよ。次は、僕がもらってもいい?」

「うん。いいよ」

そして、コウが私に近づく。

ペロッ!

首筋を舐める音がする。

ガブッ!

首筋にキバを埋め込む音がする。

痛みがはしる。

いい香りがする。

コウの近くにいると、いつもこう思ってしまう。

ジュルッ!

吸い上げられているのがわかる。

ゴクンッ!

喉の音がする。

そして、コウが離れていく。

コウの目では、赤く底光っていた。
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