☆アドバイス図書室☆
1:作者と作品の距離-実話と虚構-

『コンドームは必要です!!』を読んで

カトウメイさま作の『コンドームは必要です!!』に対して、アドバイス依頼を承りました。

で、早速読んでみました。

そして困りました。

『~これは私の実体験に脚色を加えた作品です~』
表紙に書かれた言葉です。

これがまっさらの創作であれば、語り口を変えて章を再構築すれば、メインターゲットも食いつきやすいかと思います。それだけを感想ノートに書けばいいだけなんです。

でも、わたしが読後一番に思ったのは、

『人の心配より、自分の傷を癒した方がいいですよ』

でした。
なので、あえて章を立てたうえで、お返事させていただくことにしました。


作者の心の痛みが自分の胸に伝染して、なんだか泣けそうです。
これでは人生相談です(苦笑)。

ノンフィクションノベル、手記・日記文学というジャンルも確立していますので、
スタイルがどうこうは申しません。

ただ、『作品として読んでもらいたい』『避妊は大事だと啓蒙したい』という場合、脚色を交えたとしても、どこかに冷静な第三者の視線が必要です。

カトウさんは、体験した事実をまだ昇華できず、自分を責めつづけているのではないのでしょうか? そうすると、この作品は『啓蒙』の趣旨から外れ、(言い方は悪いけれど)『呪詛』や『脅迫』としかとれません。






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