君待駅
今日の電車は少し混んでいて、茅野くんが私のすぐそばに立ってくれている。


「狭い?大丈夫?」

「だっ…大丈夫です!!」

「掴むとこなくね?」

「慣れっこなんで大丈夫ですよ。」

「危ないだろ?俺のカバンでもなんでも適当に掴んでいいよ。」

「だって…そんなの茅野くんに悪いですしっ…。」

「『茅野くん』なんて呼び方されたの初めてなんだけど…。
つーか名前で呼んでって…。」

「ごめんなさいっ…私…男の人とあんまり話したことなくて…
なので今はこれが精一杯っていうか…これから徐々に言えるように頑張ります…から…。」

「…これから…な。」



そう言った瞬間にぐらつく車内。


「きゃっ…。」

「おっと…。」






気がつくと、茅野くんに軽く抱き止められてる私。
ってわーっ!!抱き止められてるなんてっ…!!

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