君待駅
「百合坂ー百合坂。」


目の前のドアが開く。


「あのっ…茅野くんっ…
今日は…会えて本当に嬉しかったです。」

「ああ。俺も。
つーか…俺…明日頑張って早く起きるから…
そしたら明日も駅で…会えるだろ?」


そう言って私の頭をぽんぽんと優しく撫でる。


「また、明日…な?」

「はいっ!!また明日…です!!」


プシュー…とドアが閉まる。
ドアの向こう側で茅野くんが手を振っている。
それが見えなくなるまで…私は見つめ続けた。




頭の中で、茅野くんの声がリピートされる。


『また、明日…な?』



「…約束…ですね。」


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