君待駅
トンッ…と知香が俺の胸に飛び込んできた。少し遠慮がちに。


「知香っ!!俺、すっげー今汗臭くてっ…!!」


俺のジャージに顔を埋めたまま、ぶんぶんと首を振る知香。


「全然気になりませんっ!!」


知香の香りが俺を包む。


「マジで…いいの?抱き締めても…。」

「はいっ…ぎゅって…して…下さい…。」



あー…んな可愛いこと言うんじゃねぇよ…。
そんなことを思いながら、俺はゆっくりと知香の背中に腕を回した。

知香の体は思っていた以上に小さくて細い。
あんまり力を入れると壊れてしまいそうだ。







そして俺はゆっくりと知香を腕から解放した。
自然とぶつかる目線。


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