君待駅
「帰る…か…。」

「はいっ!!」


にこにこと可愛すぎる笑顔で俺を見つめる知香。
ホント…俺の気も知らないで…。

でも…ま、ようやくちゃんと言えたし、知香の気持ちも確認できたし…。
今日からは…いいよな?


俺はそっと知香の手を握る。
少しずつ、指を絡ませる。



「これが『恋人つなぎ』ってものですか?」

「なんだそれ!?んな呼び方すんの?」

「私の友達の梨乃ちゃんがそう言ってましたよ?」

「へぇー…知らねぇ…。」

「なんかこうして一緒に歩くの…新鮮ですね。
いつもは駅と電車の中でしか会いませんから…。
こうしていると…なんだか恋人みたくて照れますね…。」

「『恋人みたくて』じゃなくて、今日から『恋人』だから!!」

「あっ!!そうでしたっ!!」

「ほら、行くぞ。」

「はいっ!!」

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