君待駅
到着した電車のドアが開き、私は隅っこにちょこんと乗り込んだ。


今日も何事もなくドアが閉まる。



はぁ…。


今日2度目の溜め息。



だってあの日は違ったから。

あの日みたく、ドアが閉まりそうになったその瞬間に…

彼が飛び込んで来ることを私は心のどこかで期待している。


もう一度会ったって、きっと自分からは何も話せないだろうし、第一向こうはきっと私のことなんて覚えていないだろう。


なのに…

私はこうしてあなたを、この駅で待ち続けている。




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