一瞬の永遠を、きみと
第5章:繋がり
感じる風は今日も変わらず生温く、陽射しは殺人級に強い。
耳障りな蝉の声は一層うるさくなるばかりで、海との距離はなかなか縮まることはない。
思ったよりは筋肉痛がひどくなかったのだけが幸いだけど、それでもやはり、少しは痛むし、疲れもある。
なのにわたしは相変わらず、朗を後ろに乗せたまま、ひたすらペダルを踏んでいた。
「もー! なんでわたしこんなことしてんだー!」
何を今さら。
自分でわかってはいるけれど、叫ばずにはいられない。
全てを夏のせいにできたら楽なのだろうけれど、そんなアバウトな責任転嫁で収まるような気持ちじゃない。
「なんでって、俺を海に連れていくためだろ」
しかも後ろでそんなことを言うやつがいるもんだから、わたしはもう、この気持ちをどこに投げつけてやればいいんだろう。