一瞬の永遠を、きみと
警察官はしばらくわたしを見つめていたけれど、やがて小さく息を吐き、もうひとりに目を向けた。
合図をひとつすると、止まっていたエンジンが大きな音を立て掛かり始める。
「あ、朗……」
一歩足を踏み出すと同時に肩を掴まれた。
振り返れば、わたしに手を伸ばす警察官が、ゆるゆると首を横に振っていた。
「きみは一緒には行けない」
低く呟き、そして肩に置いていた手をずらして、わたしの腕を強く掴んだ。
進む道の先を、ふさぐように。
頭を強く殴られた気がした。
実際にそうされたわけじゃないけれど。
ただ、それくらい、彼の言葉はわたしに衝撃を与えていった。
一緒にいけないって、どうして。
ずっと一緒にいたのに。
これからだって、一緒に海に行くんだ。
言ったんだ、見せてあげるって。
いつだって、一緒に行くって。
ずっと一緒に、ここまで来たんだよ、わたしたちは。