一瞬の永遠を、きみと
「なんで……」
わたしの問い掛けに警察官は答えずに、ただ僅かに目を細める。
それと同時に、エンジンの掛かったパトカーが、サイレンを鳴らしながらゆっくりと動き始めた。
急いで振り向いても、すでにそれはわたしの前から離れ、止まることなく進んでいく。
「待って! 朗!」
追いかけようとしても、警察官がわたしの腕を掴んで離さない。
朗を乗せた車は、どんどんスピードを上げ、離れていく。
「待ってよ!」
行かないで、一緒にいて。
わたしの傍にいて。
だって、ふたりで、海に行くんでしょう。
「朗!!」
枯れるほどに叫んでも、声は、届かない。