一瞬の永遠を、きみと
微かに風が吹いていた。
生ぬるくて、決して涼しくはない真夏の風だ。
お世辞でも、爽やかとは言い難い。
5日前から続いている快晴は、本日も見事に継続中だ。
見上げた空は、当たり前だけど空の色をしていて、他に何にも例えようのない姿をわたしに見せている。
広大で優雅で偉大で、心が止まってしまうほどに、綺麗な景色だ。
このままあの空の向こうまで、泳いで行ければ楽なんだろうか。
そんなことを考えて、自分で自分を笑った。
なに子どもみたいなことを。
そんなこと、出来るわけないってわかっているのに。
だってわたしには、遥か下のコンクリートまで、重力に任せて落ちていくことしか、出来ないんだから。