一瞬の永遠を、きみと
その表情は、少しも暑そうには見えなかった。
体中が汗ばんでいるわたしとは裏腹に、朗の額には相変わらず1滴の汗も付いていない。
「なあ、暑いな、すごく」
だけどそう言うから、やっぱり朗も暑いのかもしれない。
当たり前だ。
「そりゃ暑いよ。夏だからね」
「そっか。夏だもんな」
朗はゆるりと笑って、空いている荷台に座った。
少しだけ沈む車輪。
「……夏だ。暑いわけだな」
朗は、ひとつ、大きく息を吐くと、こてんとわたしの背中に額を付けた。
熱い背中に、冷たい感触。
「少し、疲れた」
僅かに嗄れた声で、朗が呟いた。