一瞬の永遠を、きみと
第3章:ひとつでふたつ
───わたしはきっと、誰かに必要とされたかったんだと思う。
誰かを愛して、愛されたくて。
この世にあるのは幸福ばかりじゃない。
だけど、誰かを愛している限り、いつまでもわたしは幸せでいられるのだと、そう信じて。
それでもわたしは愛されなかった。
それが不幸だと、感じたことはなかった。
ただ、小さな喉が切り裂けるほどに叫んでも、届かない声もあるんだと、わたしは知った。
だけどわたしは愛された。
それほど幸せなことはこの世にはないと、人に愛されることがどれほど幸福なことかと、わたしはそれを知っていた。
愛されることの喜びも、感じる温もりも、優しさも。
わたしは全てを知っていた。
だからこそわたしは、わたしの心は。
こんなにも深く、絶望してしまっているのだから───