てのひら
第一章◇出逢い


聞こえなかったいいのに




何度も思った。





音がない世界






話を聞いても私は、
やっぱり聞こえるので
彼方の気持ちがわからなかった。




《気にしなくていいよ。》





彼方の指がそう話すたびに







私は胸が痛かった。














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