てのひら


約束のカフェに到着して
本を読んでいる亜樹の
前に座った。





『ごめん、遅くなった。』



亜樹はしょうがないなあと言う顔で




『別にいいけど、遅くなるなら連絡しようよ。』



と携帯を指さした。
亜樹とは大学に入ってからの付き合いだ。
甘えん坊の割りには、しっかりしている
ところもあって
一緒にいると話もつきないので
楽しかった。







だけど、








亜樹と話していても







詩史のことが






頭から離れない。











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