てのひら
詩史は、
ぐっと喉に詰まらせた顔になった。
【そんなこと関係ないでしょ】
ばっと書いたノートを俺の前に出す。
確かに出会って数分しか経たない
男がそんなこと聞いたら
関係ないと答えるかもしれない。
【関係なくない】
俺は書いたノートをまた詩史の前に出す。
気持ちに従うままに俺は
【そんなにつまんないなら】
【俺が付き合ってやるよ】
と書いて詩史の前に突き出した。
ああ、
そんなにつまんないなら
俺が付き合ってやる。