てのひら
駅まで戻った時に


目を疑った。









「・・・いた。」






改札口に立っている彼方の姿を
見つけたのと同時に
私は思わず、抱きついてしまった。






彼方は、
私の肩をぐっと抱き寄せて
ゆっくり歩き出す。




私の歩幅に合わせて。





私と彼方は何も話さない。




話そうとしなくても




話さなくても





あの時間(とき)はよかった。














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