てのひら
海辺を離れて近くのファミレスに入った。
テーブルを挟んで向かい合って座る俺と詩史。
俺がメニューを詩史に差し出すと
詩史はノートに書き始めた。
《彼女は?いいの?》
メニューを置いて、詩史のノートをペンを借りて
《いいんだ、まず、何か食べよう。》
と書くと詩史がペンとノートを取って
《よくないよ、彼女、心配してるよ。》
俺に差し出す。
俺はお腹をさすりながら
お腹空いたと示して、
食べる仕草をしてから
メニューを渡すと
詩史は、
ため息を一つついてから
メニューを見始めた。