てのひら
注文したものがテーブルに届くと
2人で食べ始めた。
詩史は一口食べると小さく笑った。
【何?】
人差し指を振って詩史の顔を見ると
あー…っと何かを考えて、ノートに書き始めた。
《誰かと一緒のご飯って久しぶり。》
書き終えて、また一口食べた。
俺は家に帰れば家族がいて
一緒にご飯を食べることが当たり前で
今日のことを話したりするのが当たり前で…
そんな当たり前のことが
詩史には嬉しかったんだ。