てのひら
彼方は数人の友人らしき人と
一緒にいた。
気がついたら私は、
空いている席を探して座り携帯を取り出した。
座ってふっと我に返る。
向こうは
覚えてるわけないじゃん。
そうは思っていても
彼方に見つからないように
していた。
ううん、
見つからないで欲しかった。
電車がホームに入り、
彼方達が乗り込んできた。
空いている席に座ることなく
何やら楽しそうな感じで彼方達の手が動き始めた。
彼方達の手の会話に
私は釘付けになった。