したたか舌打ち、ジメジメいじめ

イジメに直接的に関わらず、でもどこかで自惚れてたんだと。

“私がクラスの険悪なムードを和ませてるのよ”と。
――自意識過剰に。


俺、分かるよ。最近ご主人の感情がすっげぇ伝わってくる。

胸のぽっけの中は自己嫌悪と後悔の塊で、息が苦しいんだ。

透明人間の俺んことも考えて欲しいよ。迷惑過ぎる。

ご主人が苦しいと俺が苦しいんだ。息が苦しい。そんなナイーブさは似合わないからやめてくれ。



今までの、――【教室に来なくなった】Aちゃん、Bちゃん、Fちゃん。


どこかで思っていたんだろう。

“自分はほかの子よりは助けたんからね”と。

注意を仄めかした含みの言葉を言ったんだから、“傍観者にしろマシ”ではないかと。


だって【クラスの女子の中には見てるだけで何もしない奴がいた】んだよ。

ほんとに見てるだけの。

そいつらに比べたら、自分は“まだいい人”だと。


けれど、それは―――





……ああ、くだらない。本当にくだらない。

二週間使い捨てコンタクトレンズを、『アタシ今カラコン、二ヶ月使ってんだけどーやばくなーい?』と、

自慢話なノリで武勇伝風に披露する不潔な女くらいくだらない。

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