したたか舌打ち、ジメジメいじめ

ご主人は噂でJちゃんの事を聞き、彼女にメールをした。

けれどJちゃんは【イジメられているなんて思わせる“弱み”を見せなかった】んだ。


返事はいつもの雰囲気でオチがあるネタのメールだったから、

ご主人は《気にしすぎかな》と思ったみたいだった。


ほら、Jちゃんは面白いキャラ担当だから案外平気なのかなと思ったみたいだ。

今までイジメを自分のように“流してきた”大人な人が、ご主人の中でJちゃんという認識だったんだ。


《ひょっとしたらシカトなんて低レベルなイジメは平気なのかもしれない》と、

《全く気にしない、そういう人なんだ》と、ご主人は解釈したみたいだ。


俺も思った。ご主人とは違ってJちゃんは本当に天使だから、

だからだからだから、【イジメなんてくだらないから、平気なタイプ】なのかもしれない。

勝手に親友の心を楽観視していたんだ。


いつだってご主人はポジティブ、楽観的。そう、緊張感が足りないんだ。

お財布を忘れたのをバスに乗ってから気づき、遅刻して友達も居なくて一人だったから困ったのは、――ほんの数秒。

隣の席の知らない生徒にお金を借り、アドレスを交換して後日返すついでに遊ぶくらい気楽な人だから、

ガサツすぎて、小さなヘルプを見逃してしまったんだ。


そう、平気なフリが上手なのが大人だということを。

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