したたか舌打ち、ジメジメいじめ

『唇グロス塗り過ぎだしーあれちょっと絶対かなり天ぷら食べた後だから!!デラックスでつっこまれるよ!

髪の毛もさー前髪センター分け似合ってないね、ありゃあ失敗だ!!

だって眉毛の高さ違うもん!!眉剃り失敗だもん!!


んで、ちょっと、いや、あれはかなり太ってるね。そう。うん!!だってソックスの刺繍が変形してんじゃん!!

それでそう、性格なんかさーキッツイしーもうキツイよー奇天烈すぎるよ〜

ありゃあモテないよー、そう、だから必死で元カレに縋る訳よ。

そう、ほら、つまりブスじゃん!!あんなブスが言うこと気にするなって!!だってブスなんだから!!

メスゴリラが喚いてるだけだから!!ウホウホだよ、吠えてるだけ!!』


ご主人は笑いながら言う。

相槌のない電話の向こうを置き去りに、自分の話をひたすら続けた。

―――本当に自分勝手な人。



< 168 / 337 >

この作品をシェア

pagetop