したたか舌打ち、ジメジメいじめ
尤もAちゃんはギャルなので服に詳しいから、
ファッションが大好きな(ナルシストで痛い)ご主人たちは、たまに雑誌の貸し借りをしていた仲だった。
つまり双方に特別な感情はなかったように思う、なんとなく絡む程度の関係だったはずだ。
だから、Aちゃんがグループに加わっても、あんまり違和感はなかった。
2番目グループは普通に一人増えただけだった。
まあ、俺のご主人ってば《お勧めのマスカラ教わろう♪》くらいのノリだったんだけどな。
普通に考えてさ、ハミゴにされた子を前に、よく悠長に化粧のことを思い付くよな。
……俺ならこんな女と付き合いたくないね。
あ、秘密にしてくれよ、ご主人お察しの通り性格悪いから怖いんだ。
さておき、
この出来事は、あくまで【Aちゃんが勝手に居心地の悪さを覚えて、1番目グループから脱退した】形になってるんだ。
1番目グループに全く非がないと錯覚しがちな【目に見えないサヨナラ作戦】だ。
涙のない別れ、絹のハンカチは必要はない。無情な友情、それが青春だ。