したたか舌打ち、ジメジメいじめ

なんやかんやで振り返れば、ご主人の“性格デビュー”は大失敗だと俺は思う。

【変にクラスメートを分析して、輪に入ったフリをして欺く】――それって凄く【残念な青春】だ。


理屈を並べず、単純に仲良くなるのが友達じゃないのか?…ほら、Jちゃんと居る時みたいに。

それをファッションやらグループやら階級やら【透明のルール】を作って。


完璧、高校時代は二年半を【無駄】にしちゃってるよ。

【ウソツキ】なんだもん、【仲良しのフリ】だけの女子高生じゃないか。

卒業したら自然消滅する友達が本当に友達か?その場限りの友達が?…名前漢字で書けるのかって話。


そういうシリアスなことをきちんと考えることを、避けてきたのが俺達の“女子高生なスクールライフ”なんだろう。

【イジメに麻痺する心が当たり前】、それが【常識となっていたんだ。】


――Jちゃんのことがあって以来、あの日の渡り廊下で反省した。

だから……グループと仲良くなるように、興味のない恋愛ドラマを初回だけ見たり、

関心のなかった漫画だって二冊くらい読んだ。(初回とか二冊とか触りだけだけど)

――【“仲良くなりたい”から、慣れない部分に手を出した】

【ノリが合わないと決め付けて、仲良くなる努力をしなかった】のは、

こんな風に【仲良くなろうとしたのに、あんまり波長が合わなかった時が辛いから】だろう。

――ヘタレの無駄な自己防衛だ。


災害に備えて非常食を用意しているのは、危機的能力が高いからだけど、逆に言えば災害を待っているのか…――みたいな。哲学的な。

言葉では伝えられない女子の世界の陰。誰も見たくはない闇。


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