したたか舌打ち、ジメジメいじめ
手口なんて見えない。心理戦な“いざこざ”。
“これはイジメだ”なんて誰も思わない。
――それが正しいイジメ方。
教室における素敵なイジメ方―――
……
…………
最初はメンバーからはぶく遊びから。自分の知らない所で――誘われていない放課後の映画、呼ばれていないパジャマパーティー。
自分抜きで友達が仲良くしてる。自分の居ない所で友達がどんどん打ち解けている。
あれ、私何かしたかな?
なんで誘われないのかな?
まさか避けられてる?
何かの予兆に気付いてしまってからでは遅い。手遅れだ。
自分以外の友達は自分が知らない出来事に凄く盛り上がっていて、ついていけないのは自分だけ。
おはようも、バイバイも、ちゃんと言ってくれるのに、違和感ばかりを感じとる。疎外感。
私…居ていいのかな?
絶対避けてるよね?
なんで?
居心地が悪くグループから離れることになる。嫌いというより不安が大きい。
今まで交流が薄かった他のグループに下手に出てご機嫌とりをして、なんとかメンバー入り。
仲良くなれるかな…
大丈夫かな
新しいグループで安心したのもつかの間。
見えない圧力が教室にはあるのだ。女子は上下関係に厳しい。
そう、クラスメートは保身に走る。なにも加害者になりたい訳ではないのだ。