したたか舌打ち、ジメジメいじめ
そんなある日の放課後、担任の先生が女子全員を集め、休みがちのBちゃんについて事情を聞いた。
すると、『Bちゃんの自己責任』とか『Bちゃんの自業自得』とか、そんな風なことをみんな言ってたように思う。
先生の手前、『皆で団結して精一杯無視しました☆』なんて本当のことは言えないよな。
授業を真面目に受けない癖に、頭髪検査でブーイングを起こす癖に、普段から先生をナメきっている癖に、
【“こういう時”は先生を恐れる】って、【良い生徒らしく振る舞う】って、どんな心理なんだろう?
好感度を狙ってイイコちゃんぶる小悪魔さんだな。
その最中、元祖2番目グループはずっと黙ってた。
多分、元々Bちゃんと仲間だし、彼女が意地悪をされていた事実を何かしら先生に告げ口したい気持ちが芽生えていたんだと思う。
だけど、ここで【Bちゃんを庇ったら次は自分】なんだ。
――【自分を守るにはBちゃんを悪く言ううちは絶対安全】なんですから。
だから、とうとう元祖2番目グループの一人が、『Bちゃんのせいだから』と口にした。
俺が傷付く権利はないんですが、悲しかった。
仮にも半年は仲良くしてたのに、“楽しいだけ”の友達だったのに、本当の絆なんかゼロ。
この【話し合いの意味】が分からない。
こうやって話し合ったら解決するのか?
話し合いで終わるのか?
それどんな話術だよ?
そんな対談で決着がつくなら、将来君達は営業に向いてるよ。
女子高生辞めて転職しなって話。もちろん悪徳セールスマンにな?
だってさ、こんなことは“無意味”じゃないですか。
Bちゃんの一身上の都合で、自分たちは事情を知らないとばかりに残念がるクラスメートに俺は腹が立った。
無意味の意味を知っている人はこの教室には居ないんだろうな。