したたか舌打ち、ジメジメいじめ
ハゲタカって死を嗅ぎ付けて来るんだっけ?
――だとしたら、1番目グループはハゲタカだ。
【“心が死にかけ”のFちゃん】の周りを飛び出した。
C〜Eちゃんと一緒になってFちゃんをからかいだした。
【関係ないのに、イジメに加わった】んだ。
笑って。黒板に似顔絵を描いたりして笑って。
クスクス笑って。
どうして【一人を大人数でイジメる】んだろうか。
せめて【一対一が筋】なんじゃないだろうか。そんなん少数派が不利じゃないか。
毎日Fちゃんは俯くしかできないんだ。
【耐えるか、登校拒否か、退学しか選択肢を貰えない】んだぜ?
たかが同級生なのに、偉そうにする人と従うしかない人に分類されるなんておかしいよね。
『ちょっと皆!! 私ってば鼻のテッペンにニキビが出来たんだけど!!』
笑ってるクラスメートにご主人は怒鳴るように叫んだ。
『私は眉毛剃りすぎて青くなっちゃったあー』
ご主人の相方も笑いながら言った。
ニキビ? 眉毛?
全く話の流れに関係ないじゃないか。
この教室では、今Fちゃんについて嘲笑っている最中なんだ。
空気を読んでクラスメートたちが一丸となり、Fちゃんをネタに盛り上がってるっていうのに。
ご主人たちのお喋りは、ケーキバイキングに来ておきながら、『私って甘いモノ嫌いじゃないですかー』って言うくらい異色だった。
教室全体の流れを無視した発言に過ぎない。