したたか舌打ち、ジメジメいじめ

ご主人はいつもいつも利害関係のソロバンを弾いてる。

性格が悪いの極みな人だけど、逆に一周して性格が良いんじゃないかと思う始末だなんて、

俺もご主人に汚染されてんのかな。


『ねえねえ主人ちゃんもGちゃんたちが正しいと思わない??』

確かこんな感じで話しかけてきた1番目グループに、ご主人はニコニコしていた。


わざわざ【負の話題を広める必要はないのに、噂をしたがる】のが女子だと、

うんざりしながらご主人はちっとも可愛くない作った笑顔を向けて言った。


『えー?! 私ナンパされたら詐欺なんじゃないかって焦る!!キャッチかなーとか、アドレス売られるのかなーとか!!』

アハハと笑いながら、ご主人は友達の――相方をチラリと見た。


その目にカケがあるのを俺は知ってしまった。

例えるなら、名門私立小学校の面接の――息子に必死なお受験ママみたいな眼力で願いを込めた視線を送ったんだ。

分かってるわよね!?的な自己チュー圧力をかけまくってた。


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